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代田橋のすごく行き止まりな道

2019.2.23
user-icon 山本 蛸

代田橋という駅が世田区にある。そこにすごく行き止まりな道があるのでご紹介する。

「この先行き止まり」

そちら方面に歩いていくとまずこれを目にする。だいぶ色あせているので、結構前に貼られたのかな、と思う。「この先行き止まり」。なるほど。構わず進んでみる。

「a dead end street」

先ほどの電柱のすぐ奥、急に英語で警告してくる。「さっき“この先行き止まり”つったのにここを歩いてるってことは日本語わかんねえのか?じゃあ英語でも説明してやろうか?」ということか。進む。

いかにも「通り抜けられそうなのに行き止まりだった」的な道である。

電柱にはまた「行き止まり」。先ほどのものと比べてだいぶ色が鮮やかだ。最近貼られたのだろうか。最近貼られたということは、間違えてここまで来てしまう人が多かったのだろうか。

いやそうだとして、誰がそれを見ていて誰がこれを作ったんだろうか…。にしてもすげえ警告してくる。道の左右どちらを歩いていても目に入る。言い訳はできない。

念のため、これは先ほどのとは違う場所の「行き止まり」である。そろそろ少しの罪悪感を感じなくもないような状態。でも進む。

雰囲気が変わった。再三の忠告によって、もはや「この先が行き止まりである」ことは脳に叩き込まれた。僕はもう知っている。この先は行き止まりである。そして、おそらくあそこが行き止まっている。

「車両通行止め(自転車は除く)」、ということは自転車は通行していいようだが、実際は通行はできない。なぜならこの先は行き止まりだからだ。僕は知っている。この先は行き止まりなのだ。ここにきて「赤地に白」の新ver「行き止まり」が登場。

電柱の「行き止まり」、このデザインのはもはや4枚目だ。この先が行き止まっているのだろう。進もう。

ついに到達した。ここが行き止まりである。最後は一文字に一枚で贅沢に「行」「き」「止」「ま」「り」。しかしここにこれを表示する必要はないと思う。なぜなら見ればわかるから。

おわりです。