疎にして漏らさないためのWEBメディア

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(超個人的な)平成音楽プレーヤー史

2019.2.20
user-icon 山本 蛸

平成2年生まれの筆者は平成という時代とほぼ同い年なんですが、この間19~20歳の子がMDを知らない、っていう話を聞いて驚嘆したんすけども。で、振り返ってみると、音楽メディアってだいぶ変遷してきてんなー、と。僕が初めて手に入れた音楽再生機器はカセットプレーヤーだったんだけど、いまや大体みんなスマホですからね。

というわけで、僕が今まで使ってきた携帯音楽プレーヤーをすべて振り返って(あとイラストに起こして)みよう、というのが今回の記事です。超個人的な懐古記事ですが、よろしくお願いします。

初めてはカセット

aiwa HS-PS120

aiwaps120

初めて手にしたのはカセットプレーヤーでした。aiwa製。超うろ覚えですが小学校四年生(2000年)くらいだったか、親に買ってもらって(たしかケーズデンキで)。当時カセットが主流だったかっていうとそんなことはないんですが、電気屋さんにはまだけっこう売ってたと思います。これ持ってたことは記憶してるんですが何聴いてたか全然覚えてない。まだ音楽に目覚めていない時期なので…倉木麻衣聴いてたような記憶だけあるな(コナン好きだったから)。

こういう曲線的なデザインってなんとなく90年代〜2000年代初期って感じがするなあ。80年代のカセットプレーヤーはもっと直線的というか、パキっとしてますよね。今見てもかっこいいのは正直80年代の直線的なものですが。90〜00年代の曲線的なデザインはもはや、レトロフューチャー的な趣を感じないでもなく、それはそれで良い。

ていうかaiwaって最近聞かないな、なくなったんかな?と思って調べてみたら、2002年にsonyに吸収合併〜2008年に終息、2015年にアメリカで復活、2017年に日本でも復活、という感じで紆余曲折してんすね。

MDって時点でもうエモい

Sony MD WALKMAN MZ-E75

sonyMD

これは小学校六年生くらいかな、父親のお下がりを貰ったんですよね。でたぶん中学1年生(2003)ころまでは使ってたと思います。調べてみたら1999年9月発売だそうです。世紀末!バンプオブチキンのjupiterを水色のMDに入れてたことだけなぜか覚えています。

表面がメタリックな感じでかっこよかったなあ。手元で操作できるコントローラーも、すげーかっけーって思ってた記憶があります。スタイリッシュだ!って思ってました。あと、ガシャ、って蓋があいてMDが出て来るんですよ。その挙動もかっこよかった。こんなに小さいのに、ちゃんと機械だ!という感じというか。この小さい中にメカニックが詰まっている!って。あと内臓充電池と外付け単三電池を併用できるんですが、その単三電池の外付けパーツ(本体上部のグレーっぽいやつ)がまた良いんですよね。これ外してる状態だとシュッとしててスマート、オシャレ、て感じなんですが、つけた途端に無骨な、ロボットでいうとボトムズみたいな感じになるというか(伝わるかこれ)。というか着脱式なだけで男子心はくすぐられるのですが。

このころはMD、って都会的・最新でかっこいい、みたいな印象だったように思うんだけど(漫画で高校生のキャラクターが使っていてかっこよく見えたイメージというか記憶)、今となってはもはや過去の遺物というか、90’s LOST TECHNOLOGY(ナインティーズ・ロスト・テクノロジー)って僕は勝手に呼んでんですけど…アナログとデジタルの狭間に取り残されてしまった、という感じですね。今や主流は形を持たないデジタルメディアで、逆にカセットテープとかレコードとかはアナログの暖かみ的に受け入れられてるわけですが、その間でどっちつかずになってしまったというか…。僕くらいがこのMD時代をギリ経験してる最後の世代なので、まあちょっとノスタルジー感じますが、それよりもちょい上世代の人の方がエモ直撃なんでしょうね。

CDプレーヤーなんてよく持ち歩いてたな

Panasonic SL-S230-S

panasonic

これも親のお下がり。中1〜中2(2003〜2004)くらいに、先述のMDと併用しつつ、こっちに移行していった記憶。発売は1998年5月だそうです。なので当時からしても最新の機種でもなんでもない。で後述しますが、このあとmp3プレイヤーの時代が来るんだけど、その頃になってもちょいちょい使ってたような。

なんでMDのあとにCDなのか、逆じゃね?って感じですが、これ音源をPCで管理するようになったからで、レンタルしてきたCDをPCに取り込んで、CD-Rに焼いて聴いてたんですよね(やっぱりPCとの親和性が薄かったのがMDが生存できなかった要因な気がする)。そのCD-Rを、100均に売ってるようなCDファイルケースみたいなやつに大量に入れて持ち歩いてた。今思うとすげえ荷物。

この頃に音楽に目覚めて、小遣いのほとんどをCDレンタルに費やす日々が始まるので、このCDプレーヤーはだいぶ使い倒してたと思います。なので割と思い出深い。今も大好きなヘヴィメタルとかパンクロックに出会ったのもこの頃ですね。CD-RにMETALLICAのロゴ書いてましたね。マジックで。

MP3というコペ転

iRiver IFP-890

iRiverMP3

そしてこれが初めてのmp3プレーヤー(正確にはデジタルオーディオプレーヤー、らしいけどこう呼んでたので)、たぶんお年玉で買った。iRiverのiFP-890。フラッシュメモリのやつで、2004年5月発売だそう。iRiverって韓国企業なんですね。いま調べて初めて知った。

「mp3プレーヤー」という概念自体に受けた衝撃は今でも覚えていて、まさにコペ転=コペルニクス的転回、であったんですが。当時mp3プレーヤーなるものが一般にも徐々に普及し始めたころで(地元岐阜なんで少し遅いかもしれませんが)、しかし僕はそれがどんなものなのかよくわかっておらず。そしたら友人で仲間内でも最初にiPodを手に入れたやつがいて、聞いたんすよね。「mp3プレーヤーってなんなん?」って。

「パソコンから直接、曲を入れるんだよ」
「直接…?SDカードとかに入れるってこと?」
「いや、直接だよ。本体に直接」
「本体に直接…?直接!?あ、そういうこと!?」

みたいな。カセット、CD、MDと、「記録メディアを、再生機器に入れて聴く」というのが当たり前だと思ってたので、その手があったか!その発想はなかった!という感じ。で、これを購入したわけです。しかし、言うて256MBなのでそんなには入らないんすよね。60曲くらいか。

「全部持ち歩く」スタイルへ

Creative NOMAD MuVo2

CreativeMP3

そして大容量のmp3プレーヤーに移行。CREATIVEのMuVo2という機種、こういう微妙にニッチなメーカーのを選ぶあたりへそ曲がり。CREATIVEはシンガポールの企業だそうです。これもお年玉購入。ていうか大体お年玉。

容量が1.5GBなので、まあ結構な曲数が入ります。これまでは「持ってる音楽から選んで持ち出す」だったのが、「持ってる音楽全てを持ち出す」に変わるわけです。これも軽くコペ転。でも「今日は何聴こうかなあ」つって家を出る前に曲を選ぶ、みたいな時間がなくなったのは寂しいといえば寂しいような…(ただのノスタルジーかこれは)。

サイズ感がMDプレーヤーっぽいのがいいですね。ちょうど片手に収まる感じ。ただコントローラーが若干ちゃちかったような記憶。

たしかバグって再生ができなくなって、初期化しようとしたら間違えてファームウェア削除しちゃって、動かなくなったんすよね。説明書見たら「このメニュー(ファームウェア削除)は絶対実行しないで!」って書いてあって、じゃあ簡単にアクセスできるところに置くなよ、と思った。そんなわけで気に入ってたのに短命だった。

見た目が相当イカしてると思う

Sony NETWORK WALKMAN NW-HD5

SONYMP3

そしてSONY。20GB!中3の終わり(2006正月)とかだったかな、買ったの。発売日は2005年4月だそうなので、まあまあ最新機種を買ったんですね。たしかPCから音楽を同期させるのに専用のアプリケーションが必要で、しかもそれ用のファイル形式に変更しないといけなかったんすよね。それは少しめんどくさかったですね。

これはだいぶ気に入ってました。主に見た目が。たぶんアルミっぽい感じの金属ボディーで(上のイヤホン差す辺りとかはプラスチックのメッキですこしちゃちいんですが)、超カッケー、っつって。手触りがね、冷たいんすよね金属だから。それがまたイカしてんすよ。それでいて片手に収まるサイズなんでかわいさもある。外見上のデザイン的には僕が使ってきた中だと、これか、MDウォークマンが1、2位を争っている感じで、やっぱSONYはかっけえなあ、という感じなんですが、でもこれより後になると曲線的な(タマゴっぽいというか)ニュアンスが入ってきて、それは個人的には少し微妙なんだよなあ…。

iPodのクリックホイールが既にパラダイムシフトを起こしてた当時に、こんなファミコンかのような十字キーってどうなの、という気もしなくもないんですが、いいんですよ見た目かっこいいから。全体の形状が四角、画面も四角、ボタンも四角、で。ここに丸型が入ってきちゃうとやっぱりここまでかっこよくなってないと思うんですよね。

ちなみにこれはHOLDボタンが壊れてHOLD状態から戻らなくなってしまって、機械自体は壊れてないのに操作できない、という状態になり、最後を迎えました。今思えば致命的な故障ではないから、なんとかなったような気もするんだけど。壊れた瞬間に聴いてたのがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチキン・ゾンビーズだったことを覚えています。

そして結局ここへ

APPLE iPod classic

ipodclassic

結局ここに来ちゃうんだよなあ、というか。これはわざわざ何か言うこともない気がしますが、iPod classic。2007年9月発表だそうで、僕が買ったのもたしか2007年の終わりごろだったか。高校2年生。ていうかこのころもうiPhone発表されてるんですね。すげえなあapple。

まあ80GBだわ、画面カラーだわ、写真も動画も入るわ、つって無敵感はありましたね。当時携帯からyoutubeとかは見れないから、これに動画を入れて持ち歩いてたわけです。あとCDジャケットが表示される、というのがすごく嬉しかった記憶がありますね。今となっては当たり前ですけども。

で、これは大学までずっと使ってて、たしか2011年くらいに急に壊れちゃうんですけど、その後スマホで聴いてたりの時期を経て、数年前にまた買い直しましたからね、中古で。それくらいmp3プレーヤーとしては完成形という感じですね。未だに使っています。

以上です

はい、というわけで以上、僕が見てきた中でもこれだけの変遷がありまして。振り返ってみるとやっぱりMDが一番エモいなあ。あとSONYのやつかっこいい。

そしてこれだけの変遷を経て、平成も終わろうとしている今、最終的に「スマホでストリーミング再生(サブスクリプションモデル)」という、CDを買わないどころか特定の音楽に金を払うわけではない、しかもその音源をダウンロードすらしない、というモデルに行き着き、「音楽プレーヤー」というもの自体が使われなくなってくるとは、全く予想できなかったですね。

僕は割と音楽を所有したい派なので、未だにCDは買ったりするし、iPodも使うんですが、それでもやはりその欲求は徐々に薄れてきていて、まあ時代は移り変わるなあ、というだけなんですけども。とりあえず音楽市場はもうしばらく元気であってほしいなあと思います。おわり。